翻訳者がつぶやくブログです。今回のトピックは「ちっちゃい日本」です。
まとめ
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問題提起
ウクライナ侵攻が続く中、安倍元首相が日本の核兵器共有について言及しました。彼は核兵器を使いたいのでしょうか。広島・長崎の経験がありながら本当に使いたいと思っているのでしょうか?
安倍元首相は改憲(特に9条)についても積極的で、軍備増強を目指しています。彼は軍備増強に意味があると思っているのでしょうか。軍備増強によって日本を守ることができると思っているのでしょうか。
私は、核兵器使用、特に被爆国日本による核兵器使用は、人として許されないことであり、また、軍備増強で日本を守ることなどできないと思っています。安倍元首相が根本的に間違っているのは「日本=大国」であるという前提です。なぜなら、軍備を増強することによって他国に力で勝ち自国防衛を図ることは、他国に勝る軍事力を持てる「大国」にのみ可能だからです。
日本の実態
日本は大国ではありません。国土は狭く、資源もなく、人口も減少しています。これまで経済大国だったのは過労死するほどの労働を国民に強いたからです。120%の努力で得た結果(日本)と、70%(例えばです)の努力で得た結果(欧米)を同列に比較することはできません。日本はよくて発展途上国、そして今は後退(している)国です。
この傾向は進むでしょう。グローバル化により英語が公用語に、欧米の常識が世界の常識になっているからです。日本と欧米の常識は異なります。それ自体には何の問題もありません。でも欧米の常識で戦う場合(勿論平和的に)、圧倒的な差が生じます。その極端な例が東京裁判です。戦争なんて昔のことと思われるかもしれませんが、戦争の前には必ず交渉があり、交渉は言葉で行われます。東京裁判での東條英機氏と検察のやり取りの一部を是非お読みください(→こちら)。対話が成り立っていません。正直笑ってしまいます。でも天皇制維持のためだと知ると今度は泣けてきます。
議論の大切さ、教育の大切さ
私は翻訳(主に日→英)、通訳を生業としていますが、対話、議論ができない日本人は(若い人も含め)非常に多いという印象があります。議論は生ものです。議論の過程で前提が変わることも多く、その場その場の対応が求められます。日本人はそれが弱い。自分も変わり、それにより相手も変わるという流れの中で常に自分の立ち位置を把握し、望む方向に話を持っていくことができる人がほとんどいないと思います。
そして、自分の欲しいものを話し合いを通じて獲得する、実現するスキルは日本にとって不可欠です。なぜか?小国だからです。日本には人しかないからです。なのに日本は教育にお金を掛けません。資源のない小国ができること、すべきことは人を育てることしかないのに。
まとめ
自分が世界の中でどの位置にいるのかを客観的に把握し、そこをスタート地点に話し、交渉できる(できれば英語でも)日本人が増えたらいいと思います。私もそういう人になりたいと思っています。
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