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負けるとわかって戦うか - 戦うことの意味

翻訳者がつぶやくブログです。今回のトピックは「戦うことの意味」です。

1. 負けるとわかって戦うか

佐藤愛子氏の「女の背骨」に以下のような一節があります。

私の亡父の好きな言葉に「人は負けるとわかっていても戦わねばならぬときがある」というバイロンの言葉がある。

ロシアがウクライナに侵攻するまで私は「負ける戦はするな」という考えでした。今でも「意見を」戦わせることは有意義だと思いますが、武力を用いる戦いには断固反対です。ですので、ウクライナ侵攻開始直後はウクライナが降伏してしまった方が犠牲が少なくて済むので即時降伏したほうがいいのではと思っていました。

しかし戦いが進むにつれ、そしてウクライナの人々が口々にロシアによる支配を嫌だと言っているのを見て私は揺らいでいきました。そんな時に出会ったのが冒頭の言葉です。

「人は負けるとわかっていても戦わねばならぬときがある」

負けて失うものが何かによってこの言葉の意味は変わってくるでしょう。少しの金銭なら痛くもかゆくもない。でも命を失う可能性があったらどうするか。答えは出ません。ただもう私は軽々しく「負ける戦はするな」とは言えなくなりました。

2. 軍備増強とは別

ただ、「戦に勝つこと」と「軍備増強」は別だということははっきり言っておきたいと思います。もともと武力使用には反対ですが、仮に賛成だとしても軍備増強には反対です。なぜなら日本がいくら軍事費を積み増しても大国には勝てないからです。以前も書きましたが日本はもっと外交力(交渉力)を増強する必要があると思います。というかそれしか道がないと思います。繰り返しになりますが英語は必須です。

3. Confront する力

日本には Confront に対応する言葉がありません。当然です。ぶつかっちゃいけない国なので。でも、英語力と同じくらい大切なのが「confront」する力です。日本では依然として年齢や性別で序列が付いています。言葉で相手と「ぶつかる」論理力と精神力を育てる必要があります。

東京オリンピック前に森元首相をはじめ、複数の年配男性が高い地位から降りました。年配である、男性であるということだけで下駄を履かせてもらってきた人には一刻も早く引退していただき、理性に基づいた判断や交渉のできる人に政治外交を行ってほしいと思います。

4. 最後に - 謎の出典

佐藤愛子さんが本の中で「バイロンの言葉」と言っているので英語の原文を探しました。が、見つけられませんでした。誰が言った言葉なんでしょうか。思い込みって怖いですね。
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